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マイホームを購入したのに、床が傾いていたり、排水管が壊れていたり、内見時には分からない不具合が後になって発覚することはあります。

そのようなとき、まずは売主(販売元)にクレームして交渉することがよいと思われますが、交渉しても埒が明かないという場合にはどうすればよいでしょうか。


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1.弁護士に相談する

まずは弁護士に相談して内容証明郵便を送るなどの交渉をしてもらい、解決しなければ裁判や、場合によっては裁判所の民事調停を申し立てるということが考えられます。

この方法のメリットは、あなたの味方になる専門家に十分に事情を把握してもらった上で、高度な法的知識を元に交渉してもらえるという点です。

一方、デメリットはお金です。弁護士に払う着手金だけで(弁護士によりますが)30万円はかかる(物件価格などによりもっと高額になる可能性もある)とみてよいでしょう。

また、誤って安かろう悪かろうの弁護士を起用してしまうと、結局お金もかかるし大した結果も得られないという、費用対効果が悪い結果になってしまいます。

2.裁判以外の紛争解決機関を利用する

そこで、弁護士に頼まないで紛争を解決する手段としては、裁判所以外の機関が提供している紛争解決サービスを利用するということが考えられます。この方法のメリットは、弁護士に頼むお金がかからないこと、また、迅速な解決が期待できることです。一方、自分の主張を法的に効果的な方法で十分に伝えられない結果、弁護士に頼むよりも不利な結果となるリスクもあります。

各機関により利用できる条件や、利用料金が異なるため、順にみていきましょう。

(1)日本不動産仲裁機構

一般社団法人日本不動産仲裁機構は、調停又は仲裁を扱っています。

料金は、調停においては調停申立手数料として10,000円(税抜)を申立人が負担し、調停手続きが開始されると期日手数料が一期日あたり10,000円(税抜)が申立人と被申立人が折半で負担することになっているとのことです(https://jha-adr.org/contents/)。

(2)住宅リフォーム・紛争処理支援センター

公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、あっせん、調停、仲裁を扱っています。「あっせん」とは、調停を簡略化したものとのことです(https://www.chord.or.jp/trouble/pdf/compa.pdf)。

料金は、申請手数料の 1 万円(消費税非課税)のみですが、対象となるのは評価住宅と保険付き住宅のみなので(https://www.chord.or.jp/trouble/funso.html)、当センターを利用できる住宅か否かが1つのハードルとなります。

(3)国民生活センター

独立行政法人国民生活センターは、和解の仲介や仲裁を扱っています。

料金は無料ですが(https://www.kokusen.go.jp/adr/hunsou/shinsei_wakai.html)、対象となるのは「重要消費者紛争」(https://www.kokusen.go.jp/adr/pdf/zsh_1.pdf)のみとなるため、当センターを利用できる紛争といえるか否かが1つのハードルとなります。

(4)日弁連紛争解決センター

日本弁護士連合会紛争解決センターは、話し合いでの解決や仲裁を扱っています。

料金は、申立手数料、期日手数料および成立手数料がかかり、各紛争解決センター(全国の弁護士会のセンター)により異なるようです。

(5)不動産適正取引推進機構

一般財団法人不動産適正取引推進機構は、調整・仲裁を行っています。「調整」というのは、調停のように当事者の合意を促す手続きのようで、これが不調に終わると仲裁などに移行するようです。

料金は原則無料とされています。もっとも、この手続きは二次的なもので、直接この機構に申し立てをすることはできないようです。

3.まとめ

欠陥マンション・欠陥住宅と一言にいってもいろいろですし、十分な知識をもって紛争解決に臨むことに越したことはないため、弁護士に相談することが一番良いと思いますが、ある程度、自分の主張をまとめる能力がある方であれば、上記の解決策を試してみることもよいのではないでしょうか。