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少し前に、タレントの矢口真理さんの不倫騒動後の復帰がとりざたされましたね。
現在は不倫相手と同棲中とのことですが、「不倫は文化」なんていうのは法的には
認められていません。
矢口さんは、中村さんと協議離婚の際に、慰謝料相当として一説では1,000万円
ほど支払い、この件は落着したもようです。
そこで今回はこんな問題です。
問題
もし中村さんが、不倫相手の梅田賢三さんに慰謝料を求めようとした場合、
それは可能なのでしょうか?
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回答
中村さんが梅田さんに損害賠償請求をすることは可能。
根拠は不法行為。
解説
このように夫婦の片方が不貞行為をした事例で、他方配偶者から
不貞行為の相手方への損害賠償請求を認めた判例があります。
(今回で言うと、中村さんから梅田さんへの損害賠償請求)
夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持つた第三者は、故意又は過失がある限り、右配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によつて生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、右他方の配偶者の被つた精神上の苦痛を慰藉すべき義務があるというべきである。(最判昭54.3.30民集33.2.303)
好きになってしまったから仕方がないじゃない、というのは言い訳にならないわけです。
なお、この判例は、夫婦に子供がいた事例でしたが、
特段の事情がないかぎり、子供から相手への損害賠償請求は認められないとしました。
妻及び未成年の子のある男性と肉体関係を持つた女性が妻子のもとを去つた右男性と同棲するに至つた結果、その子が日常生活において父親から愛情を注がれ、その監護、教育を受けることができなくなつたとしても、その女性が害意をもつて父親の子に対する監護等を積極的に阻止するなど特段の事情のない限り、右女性の行為は未成年の子に対して不法行為を構成するものではないと解するのが相当である。けだし、父親がその未成年の子に対し愛情を注ぎ、監護、教育を行うことは、他の女性と同棲するかどうかにかかわりなく、父親自らの意思によつて行うことができるのであるから、他の女性との同棲の結果、未成年の子が事実上父親の愛情、監護、教育を受けることができず、そのため不利益を被つたとしても、そのことと右女性の行為との間には相当因果関係がないものといわなければならないからである。
夫婦生活が破たんしていれば義務なし
もっとも、矢口さんと中村さんの夫婦関係が冷え切ってしまっていた場合は、
慰謝料は認められません。
甲の配偶者乙と第三者丙が肉体関係を持った場合において、甲と乙との婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情のない限り、丙は、甲に対して不法行為責任を負わないものと解するのが相当である。けだし、丙が乙と肉体関係を持つことが甲に対する不法行為となる(後記判例参照)のは、それが甲の婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為ということができるからであって、甲と乙との婚姻関係が既に破綻していた場合には、原則として、甲にこのような権利又は法的保護に値する利益があるとはいえないからである。(最判平成8.3.26民集50.4.993)
ちなみに、矢口さんと中村さんが夫婦ではなく、
単に婚約(誠心誠意の、将来結婚しようという合意。結納がなくても成立します。)
していた場合であっても、損害賠償が認められる場合があります。